- Vtuberの炎上と引退、それをVtuber側とリスナー側どちらからも描く物語
- 推しという存在への想いが強すぎて、割となんでもできちゃう主人公
- 主人公に憧れるVtuberヒロイン
- 推しの最期が少しでも幸せでありますように
現在1巻まで刊行
1巻感想
VTuber夢叶乃亜は初ライブ後に炎上し姿を消した。『乃亜推しカルゴ』と一目置かれるほど彼女を推していた苅部業、彼は高校を休学しVtuberの炎上を取り扱うブログ運営をしていた。そこに元乃亜ファンとして業とも面識のあった少女が、自分をVtuberとして引退させてほしいと訪ねてきた。これはVtuberとその存在を推す人々、その最期にも向き合うお話。
面白かったです。好きなものの推し活動をしている1人として、心に突き刺さるものがあったなぁ。推しは永遠に元気でいて欲しいよね……。
Vtuberの炎上と引退、それをVtuber側とリスナー側どちらも描いているのが印象的でした。それゆえに主人公だけではなく、ヒロインたちやVtuberリスナーさん視点も多かったかなと思います。構造としては探偵ものにも近いといいますか、探偵が業で助手兼事件を拾ってくるのがミーナみたいな立ち位置。業とミーナの組み合わせも好きですね。業は心の内を見せなくなってしまった男の子なので、ミーナという彼に憧れる可愛らしい女の子の存在は必然といいますか。
1話で1Vtuberの話という区切りの良さも読みやすかった。私は、ねいこの話が一番刺さりました。奔放でたとえ炎上しても楽しい配信をしようと奮闘していたものの、リスナーの顔まで見えていなかった彼女に、自分を好きで応援してくれてる人たちの声が初めて届く。でもそれは炎上が起きてしまった後だから、素敵なのに切ない。リスナーの方たちの優しさに号泣しました……。キャップンさん渋カッコよすぎる。
どのお話にも夢叶乃亜の存在はチラついていて、最後にそれまでのことが繋がり、どこか助っ人のような存在だった業が、物語の中心になったことでラストの展開を迎えるというのはすごく良かったです。Vtuberの炎上と最期がメインでも、決して負の側面だけでなくそれぞれに救いはあり、爽やかな読後感だったのも素晴らしかった。最後のミーナは最高にヒロインしてて可愛かったです。
続きもあれば読みたい!