- 欠魂(魂の一部が欠ける)によって離れられなくなってしまった魔術師の少女と王子のお話
- 笑顔を忘れた主人公
- 笑顔でも目に感情のない王子
- お互いに相手がいないと成り立たない関係性
現在1巻まで刊行
1巻感想
正妃に疎まれ、命を狙われ続けている第一王子オルトス。暗殺者に襲われた彼を助けた魔術師の少女エリーニ。その時に欠魂(魂の一部が欠ける)してしまったことから、4歩以上離れられなくなってしまった2人のファンタジーラブストーリー。
キラキラおとぎ話みたいな愛ではなくて、地獄の中で見つけた光に精一杯手を伸ばす、執着という名の愛によってお互い生かされているのが凄まじく好みでした。共依存はいいぞ!!
主人公エリーニの感情の起伏が少ないからか、文章としては堅めの印象を受けましたね。エリーニは自分のことにとても無頓着で、考えていることがわかりずらく情緒が死んでいるタイプの女の子。それだけに王子への好意だけは開き直って、情熱的な言葉と無表情で伝え続ける姿が可愛かったです。彼女が唯一感情らしいものを見せる時は、全部王子関連というのがね、愛なんだよなぁ。王子オルトスもすごく良かった。反応がオーバーアクション気味で喜怒哀楽が誰よりも激しいようにみえて、目を見ると感情が浮かんでいない顔が良い男とか最高か。無表情美少女との組み合わせが素晴らしかったですね。彼の親友イェラも含めて、3人とも顔が良い変わり者なのがいい。特別な絆によって、運命共同体みたいな関係性になっていくのが好きでした。
続くのかはわかりませんが、今後のお話があればぜひ読みたいです。