- 前世英雄と魔女だった二人の現代ファンタジーラブコメ
- 英雄らしさ、魔女らしさが平和な現代でどうなるか
- 孤独に慣れすぎたコミュ障ヒロイン
- 世界と呪い
全2巻
1巻感想
前世で「英雄」だった白石護道と「魔女」だった椎名麻衣。前世では宿敵だった二人が今世で再会し始まる現代ファンタジーラブコメ。
主人公とヒロインの背負ってるものが重すぎて生きるか死ぬか状態なので、ラブコメとしては次からが本番なのかなと。魔法(制限ありバトルなし)を使えたり、前世からの呪いが関わっていたりなファンタジー要素もよかったです。
主人公護道は、人を助けるためには自分を犠牲にするのも厭わない、元英雄らしい男の子。ただ、大切な人のためだけじゃなくて、目についた人を手あたり次第に助けようとするのは、平和な現代ではおかしい行動なんですよね。最初は魔女のコミュ障っぷりに隠れてたけど、色々と拗らせてたの主人公の方だった!という(笑)周りから叱咤激励され、自分の内面にしっかり向き合って、それでもヒロインのために動くところがカッコよかったです。あと前世のカラーイラストの金髪碧眼勇者、めちゃくちゃイケメン。
ヒロインの魔女は罪を一人で抱え込んでいて、一筋縄ではいかない女の子。本当は誰よりも優しくて、護道にだけツンデレみたいになってるの可愛かったです。
2巻感想
前世では敵同士だったが、今世では友達になった英雄と魔女。ただお互い恋を自覚した途端に上手くいかなくなる2巻。
やっぱり2巻がラブコメ本番でしたね。最初からお友達というには、明らかに距離感が近くてラブラブにしか見えない護道と麻衣をいいねとニコニコ眺めていたら、どんどん拗らせていくのさすがだった(笑)
今回はやはり友人たち、特に幼なじみ比奈の存在感がお話に強く影響していて面白かったです。護道と麻衣からしたら前世からの仲なんですが、比奈視点でいくと昔から好きだった幼なじみが転校生の美少女と本人たちは無自覚に両片想い状態になっちゃったというなんともキツイ展開なんですよね。しかも転校生はいい子で自分もお友達になってしまってるだなんて、辛い。2人のすれ違いを利用しようかとも思ったけれど、真っすぐな護道を好きだからこそ彼の幸せを願い、最後には背中を押してしまうのが切なかったです。きちんと想いを告げて、自分の恋を終わらせようとしたのも麻衣と友達でいたいという気持ちなのかなと思うと、比奈いい子なんだわ……。
麻衣の自分は人から嫌われる、自分といると幸せになれないという呪いにも似た思い込みを吹き飛ばす護道を見てスッキリしました。前世では幸せな結末を迎えられなかった2人がようやくたどり着いたハッピーエンド。読めて良かったです。
イラストも素晴らしくて、特に花火の場面のカラーイラストが素敵でした。
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