1巻まで刊行
1巻感想
ある時、大学生の菊理現(くくりうつつ)の家の机の上にダイスが現れる。それは、自動で振られて答えによって出る目が変わる、不思議なダイスだった。そして、彼の目の前に現れた長い黒髪に白いワンピースの美しい女性がそのダイスを操っているらしい。現にしか見えなく、話さない、でもずば抜けた推理力を持つ名探偵な彼女の意思表示はダイスだけ。親戚の刑事百鬼広海(なりきひろみ)とその相棒烏丸に頼まれた、彼女と現。「はい」か「いいえ」の答えで真実にたどり着け、水平思考ミステリー!
面白かったー!ウミガメのスープで有名な水平思考ミステリものとしても楽しみにしていたのですが、私は作者さんの主人公とヒロインの関係性の描き方がとても好きでして!そこにも大注目でした。
探偵ヒロインアリスは存在すらあやふやな不思議存在で、アリス自体の感情は読み手の私にも全くわからないものの、主人公が彼女を大切に思って行動してるのはすごく伝わってきました。大学生活で謎のBOXを四六時中持ち歩いて、誰もいないところへ話しかけたりするのは愛よ(笑)ヤバい人と思われても良いからアリスとコミュニケーションをとりたいってことなんだと思うと愛でしかない。
親戚の刑事さんたちから事件を持ち込まれるので、事件自体は人の死や誘拐など深刻なものが多く日常系ミステリではありません。みんなでアリスに質問しながら、真実を導いていく形式は新しくて面白かったです。終わり方的に続刊前提かなと思うので、続きも読みたいです!アリス可愛い!!