人の死の予兆を見てしまう君に、誰も死なないミステリーを
- 人の死を見続けてきた少女
- 彼女に誰の死も見せないように頑張る主人公
- 二人のやり取りでコミカルな部分も
- 優しいミステリー
現在2巻+1冊まで刊行
1巻感想
もっともっとこの2人の優しいネジ巻きを見守りたい。
人が死ぬ予兆が見えてしまう遠見志緒と、彼女の能力を知り何もしなければ死んでしまう人たちを救うために一緒に行動し続ける佐藤くんのお話。
面白かったです。自殺する女性を止めるという始まり方からこれは重めの話かなと思っていたら、佐藤くんと志緒のやり取りや、佐藤くんの心の声がコミカル成分多めで楽しくて。ちょっと変わった方向に思考が飛んじゃう佐藤くんが面白かったですね。
中盤以降は、続きが気になる展開で一気読み。
ハナゴリラとの切れてなかった繋がりにほっこりしました。
2巻感想
志緒の友達への優しさだったり、佐藤くんへの想いも少し見えたかな。
変わらず志緒の見えた死線消しをする二人、志緒の友人飛鳥の死線を発見したことから獅加観一族の遺産相続問題に巻き込まれていく2巻。
大学生になって距離が近づいたような佐藤くんと志緒の話を、読めたことがまず嬉しい。
ミステリとしては、長編ですね。一族とか鬼とかおどろおどろしい雰囲気も。次々と出てくる死線と謎に、佐藤君と共に翻弄されまくりました(笑)
辿り着いたラストには狂気と恐怖、そして優しい救いもありました。
面白かったです。
眠り姫と五人の容疑者感想
二人の始まりが読めて嬉しい!
人の死線が見えてしまう志緒、彼女と一緒に死線消しをする佐藤くん、そんな二人が出会ってすぐに起きた事件のお話。
面白かった!1巻より前のエピソード。志緒目線の語りが多かったのが新鮮でした。1・2巻では志緒の隣には当たり前のように佐藤くんがいましたし、基本的に佐藤くんの語りでしたからね。
このぎこちない状態から、後の関係性になっていくかと思うと上手くいい表せないエモさがありました。佐藤くん、最初はミステリアスクールな感じだったのね。佐藤くんの名前もでてきましたが、確かに甘そうな名前でした(笑)
身近で死を見続ける壮絶な経験によって打ちのめされていた志緒が、人を死から救いたいと立ち上がる強さに希望を感じました。そこに佐藤くんの推理も加わって、ピースが揃ったんだなぁと。
誰も死なないミステリーを君に、は佐藤くんから志緒へでもあり、志緒からある人への想いでもあったところに胸を打たれました。
ハナゴリラや紅娘、今後に繋がるアイテムも出てきたり、シリーズファンとって、たまらない1冊だったと思います。シリーズ続刊も読みたいなぁ。