- モンスター(蜘蛛)のエサになりたい少女のファンタジー
- 主人公は少女
- 捕食者とご飯、でもその関係性は家族のよう
- 共依存ポイント高い!
- 言葉を話せる蜘蛛もいる
- 化け物と普通
現在1巻まで刊行
1巻感想
現代で死んだと思ったら異世界に転移していた少女琥珀。人を養分として成長するモンスター【人形蜘蛛】彼らの養分になることを嬉しいと思った琥珀は、おにいちゃん・シロ・ヒメ3匹の蜘蛛とダンジョンを進む。そんな中で末っ子のヒメはどうやら言葉が話せるらしく……?エサの少女と蜘蛛たちのファンタジー迷宮旅。
最初がグロさのピークで、そこを超えたらハートフル交流ときどき殺伐バトルファンタジーだったかなと思います。やっぱり卵は、グロいよなぁ……。ファンタジーのダンジョンを進んでいったり、モンスターと共闘する女の子主人公なので、そういうのが好きな方にもおススメできるかなとは思ったんですが、やはり最初の部分が結構エグいので私は序盤の試し読みを推奨。
主人公琥珀が、とても好きです。猫と虫だったら虫が好きで、虫の養分になりたいと願う女の子は確かに特殊。しかも異世界転移なので、生まれがファンタジー世界ではなく現代なんですよね。現代でこの考えは確かに異端かもしれません。ただ私がいいなと思ったところは彼女の特殊性ではなく、それでも他者そして普通という価値観を切り捨てられないジレンマを抱える人間らしいところです。自分の痛みはどうだっていいけれど、人の痛みはわかる。わかった上で、大切な存在を守るために化け物と自称し強くあろうと頑張る少女にしか私には見えなくて、健気な姿が好きでした。蜘蛛愛の強さで、蜘蛛がかわいく見えましたし。
おにいちゃん・シロ・ヒメ蜘蛛たちとの交流もよかった。特に、ヒメは言葉を話せるかつ琥珀にとっては眩しすぎる存在で、価値観の違う一人と一匹が時にぶつかりながらも仲を深めていく様子が面白かったです。おにいちゃんとシロちゃんのわんぱく兄弟もかわいくて好き。
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