- 令嬢になり変わった魔女が宿敵と結婚するファンタジー
- 初恋同士の微笑ましい恋
- 孤独だった魔女の少女が、人と接する楽しさを知る
- 初恋に不器用すぎる青年のアプローチ
- 「化石病」とは?母の行方は?
感想
善き魔女だった母が騎士に連れていかれ、それから1人きりで生きてきた青の森の魔女ネリ。魔女を厳しく取り締まる母を連れて行った宿敵の騎士エルヴィン。ネリが令嬢に変化して始まった2人の結婚生活と初めての恋、原因不明の病「化石病」の真実に迫るファンタジー。
良い……!!魔女・騎士・偽りの結婚と自分好みの要素満載ファンタジーを好きな作者さんが書くとか、最高でしかない。とっても面白かったです!
心優しく朗らかなネリの可愛さが好き。敵だと思っていても共に過ごすうちに、騎士エルヴィンの苦悩と不器用な優しさを知って好きになってしまうネリ。しかし、自身も彼が憎む魔女の1人であり、彼を騙しているという事実に苦しくなっていく彼女の切ない心情が丁寧に描かれていて素晴らしかったです。
騎士エルヴィンの視点も最初から多かったですね。こちらは風変わりな令嬢へ無意識に心惹かれ、初めての恋に戸惑う様子が描かれるんですが、これが好みドンピシャで悶えながら読んでました。無骨な青年が恋にテンパって振り回される展開大好きなんですよ。また、物語の重要なポイントになる「化石病」についての事件は、ただの悪い魔女による事件では終わらず、愛によって歪んでしまった女性の物悲しさ、ネリの母親が失踪した真実が描かれていたのが印象的でした。
愛する人を得た2人なら、きっと幸せになれるという希望を感じられるラストもよかったです。欲を言えば、続きも読みたいです。