「問題児の私たちを変えたのは、同じクラスの茂中先輩」案内

成績優秀イケメン彼女持ち、ただ留年したことからクラスで孤立している茂中碧。同じく孤立しているメンバー5人で修学旅行の班を組むことに。問題児だらけの青春ストーリー！

問題児というレッテルを貼られてしまった彼ら、なぜそうなったかを知っていくのが面白かったです。この物語は、優しく頼れるのに人のことばかりで自分のことを全然語らない変わり者の茂中先輩が主人公だから、いいのかなと。頼れるリーダーという点では信じられるんですけど、信用ならない語り手ではあるんですよね。

たぶん、一番普通な価値観を持ってるのは金田。その次が白坂かなぁ。赤間は炎上の精神崩壊でヤンデレみがありますし、黒沢は天然真面目サイコみが……。といいつつ、ヒロインでは黒沢が好きです。水族館のところがヤバ可愛かったし、真面目で正論が過ぎて嫌われちゃう不器用さもいい。

いい話だったなぁでは終わらせない、全員の歪みが提示され今後どうなるのか。地獄の幕開けなのか！？(笑)

続きも楽しみです。

修学旅行が終わっても、茂中先輩を中心に集まるようになった問題児5人。今回は鈴の炎上原因との対峙から始まり、夜のプール遊び、クラスのリア充グループとの因縁、黒沢のかつての親友との因縁、そして茂中先輩の嘘、盛りだくさんな2巻。

面白かった！！1巻から更に、鈴と黒沢ちゃんの過去を深堀りし救っていく2巻でしたね。鈴の問題のところでの黒沢ちゃんが、正義の黒沢本領発揮でよかった。味方がいる彼女は強い！鈴と仲良くなってたのも微笑ましかったです。

キラちゃんの名前呼びモダモダもよかった。「あれ？いつの間にか俯瞰して余裕ぶってたら茂中先輩争奪戦に置いてかれてない！？」という焦りが一番普通の女の子の反応で、なんだかホッとする自分がいました(笑)キラ視点になると、ラブコメっていう感じがしてほのぼのします。茂中先輩含め、規格外の人が多いから……。

そして私の推しヒロイン黒沢ちゃんですよ！表紙でしたからね！元親友の話は、彼女の危うさが弱点になりそれを颯爽と助ける茂中先輩がカッコよかった。黒沢ちゃんは良くも悪くも素直で、実は影響されやすいんだよなぁ。家庭事情も明らかになって、彼女の不思議で歪な真っすぐさの理由も少し見えましたね。茂中先輩の中では、アリスの面影を感じさせる存在でもあり間違いなく特定のポジションは得ているものの、本人の辞書に恋愛という文字がなさそうなのが今後どうなるのか気になります。

主人公茂中先輩の不安定さも、かなり感じた巻でした。問題児たちを救うということが、強迫観念であり茂中先輩として生きる理由になってるように見えました。今の茂中先輩というのは、彼がアリスのために作り上げようとしている理想の自分なんですよね、きっと。救ってくれるスーパーマンそんな彼に恋をした女の子たちは、茂中先輩じゃない彼も受け入れてくれそうですが、それを彼自身が良しとするかどうかなのかなとか考えたり。

最後に次の表紙になるであろう鈴の爆弾によって、茂中先輩は大ピンチを切り抜けられるのか。続きも楽しみです。