- 人を殺す怪物とそれを生み出した少女、そして彼女を心から愛する青年のダークバトルファンタジー
- 幼女ゴスロリ美少女(実年齢はお姉さん)は好きですか?
- 異様な見た目の心優しい青年
- 人と人ではない存在
- 家族というもの
感想
【D.O.G】と呼ばれる生体兵器たちを殲滅するため、世界中を旅するゴスロリ少女夜子と顔に傷がある恐ろしい風貌の青年サトル。これは彼らの戦いと家族のお話。
おもしろーい!!他の方の感想を見て読んだんですが、面白かった!事件バトルものなので、かなりシリアスでした。
事件ごとに区切りがついていて、短編連作のようなスタイルで読みやすかったです。最初は事件自体の面白さで、途中からはメイン2人のことをもっと知りたいという気持ちで物語の中に没入してあっという間に読み終わっていましたね。
終盤で2人の出会いと家族について描かれるのは、心にくる。人工的に作られた存在と普通の人間の交流、その描かれ方がすごく好き。人と人ではないものの違いとか、そこに芽生えた愛とかそういうお話も大好き。
メイン2人はまさに一心同体、2人で主人公でした。見た目の可愛らしさとキツめの言動にギャップのある夜子は、人間を超越した何かという最初の印象から、物語が進むごとに彼女自身の心の傷や感情に触れてどんどん愛すべきヒロインに変わっていったかなと。サトルは見た目+彼特有の特性と、優しく穏やかな性格にチグハグさを感じる男の子。なぜ彼がそうなってしまったのかを知ると納得出来るんですけどね。心から夜子を愛していると言動から感じられたのがよかった。
お話としては綺麗にまとまっていますが、この2人の旅路をもっと読みたいです。