- 終わりかけの世界を記憶喪失の少女と謎の青年が一緒に旅するファンタジー
- 『幻想病』という人の願いを叶える夢のような病が、なぜ人類を滅ぼしかけているのか
- 感情の薄い少女が愛を知る
- 主人公たちの過去
感想
『幻想病』という願いを現実にする病で人類が終わりかけている世界。そんな世界で目を覚ました記憶喪失の少女ルータが、彼女の傍にいた男性シノツクと東京を目指して旅するファンタジー。終末世界旅の短編連作っぽい1冊完結もの。
好き、とにかく好き!ルータがすごく好みな主人公なんですよね。最初は感情の起伏の少なかった女の子が、徐々に感情豊かになって愛を知っていくのが、たまらなく好き……。ずっと頼れる男性だったシノツクが、最後の方で見せた少しヘタレな部分もよかったです。家族のお話としても、とても温かくてよかったです。
たとえ世界が終わっても、あなたがいるなら、あなたといられるならそれでいい。それだけが自分の願い、自分の幸せ。そんな答えに辿り着いた二人の素敵な愛の物語でした。