- 美少女に寄生した純粋無垢な存在
- それと青年の不思議な共同生活(期限付き)
- 人ではないものが初めて抱いた感情は?
- イラストの透明感と女の子の可愛さ
1巻感想
産業スパイの青年江間宗史。かつて家庭教師をしていた時の教え子である真倉沙希未と再会し、ある事件によって瀕死の怪我を負った彼女の身体に宿った謎の生命体アルジャーノンと共同生活をすることになる。青年と人ではない存在、彼らの短く濃い五日間のお話。
すごくすごく良かった……!!プロローグから素敵すぎる。人ではない存在が美少女の中に存在して自我を持ちはじめるというところにまず惹かれました。しかも、人と交流することで好きという感情をわかっていくとか堪らなく好き!主人公宗史の過去やスパイとしての戦い描写もありますが、物語としては奇妙な同居生活をすることになった1人と一匹の交流がメインなのかなと。
謎の存在アルジャーノンが、とても純粋で優しいのもよかったです。これは絆される。途中からは思考や言葉も1人の人間としか思えないんですよ。それだけに期限付きの日々が、アルジャーノンの言葉が切なく美しかったです。
主人公宗史の過去もなかなか重かったですね。沙希未のためにはアルジャーノンには消えてもらわなくてはいけないという葛藤や放ってしまった言葉への自己嫌悪も、彼が善人であるからこそのものでよかったです。
【おしゃべり屋】孝太郎や大人びた学生伊桜ちゃんも存在感がありました。孝太郎はチャランポランで適当に見せてるけれど、心から宗史のことが大好きなんだなと思える過去を背負っていて、良いなと思いました。男同士の歪な友情も好き。
あとはイラスト!もう本当イラストが好みど真ん中すぎて、読んでて思わず「可愛すぎる……!!」って言いましたからね、ええ。透き通るような美麗さと女の子の可愛らしさ、そして男性たちのカッコよさ、カラーも白黒も全て素晴らしかったです。
傷つき足掻いた先のラストは、積み重ねが台無しにならない希望があって読んでよかったと思えました。
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