- 敵国で生きる女性の商才発揮と人との縁のファンタジー
- 自立しようと頑張る主人公の強さと優しさ
- 主人公に触発され、奮闘する周りの人たち
- 上下巻でまとまっていて読みやすい
上下巻
感想
サンルアン国宰相の娘で侯爵令嬢だったベルティーヌ。戦勝国南部連合国の代表セシリオ。王名でセシリオへ嫁ぐように命じられたベルティーヌが、 孤立無援の敵国で生きる決意をし才能を開花させるファンタジー。
面白かった!味方は侍女ドロテ1人のみの四面楚歌な状況で、それでもそこで生きていくことを決めた女性が商才を発揮していくお話ですね。土地で生きる人々との交流が面白く、じんわりと優しい雰囲気がよかったです。
主人公ベルティーヌが好き。今までの辛い境遇から恨む気持ちがないといったら嘘になるだろうけれど、やり返すのではなくて自分の道を強く生きていくことを決めて歩き出す姿がカッコいいんですよ。どんどん逞しくなっていくのも頼もしかったです。セシリオとの関係性も大人の恋愛って感じでよかった。これから国を背負っていく戦友としてお互いに尊敬する気持ちがまず最初にあって、そこからの恋愛なんですよね。
上巻では南部連合国で生きるための足固めと、色々な人たちとの出会い。下巻ではベルティーヌのやってきたことが花開き、関わってきた人たちもそれぞれの幸せを見つけていく展開でした。
しっとりとした雰囲気のあるイラストもよかったです。
幸せな気持ちになれる素敵な作品で、読めてよかったです。