「天使は炭酸しか飲まない」案内

恋愛限定の不思議な力で告白する人の背中を押す『久世高の天使』明石伊緒、そんな彼の正体を突き止め自分の異常な惚れ癖を直してほしいと相談した柚月湊、悩める少年少女の青春物語。

美少女が惚れやすいのは、周りに与える影響大きすぎるよなぁ。同時に何人も好きになってしまう不思議を解明する恋愛ミステリとしても面白かったし、それが解明された後のもう一波乱もよかったです。胸がギュッとなる切なさ、過去の壮絶さ、優しいからこそ苦しい、正反対だけど似てる2人が出会えてよかったと思いました。

伊緒も湊も好きですが、周りの人たちもよかったですね。特に湊の親友で、穏やかな雰囲気を持つのに強くて行動力のある詩帆ちゃんが好き。湊の問題は一段落して、今後の恋愛天使の活躍も読んでみたいです。

噂も落ち着き『久世高の天使』としての活動を再開した伊緒。三大美女の1人御影冴華への恋心を持つ男子の相談にのっていたら、その御影から久世高の天使宛てに依頼の手紙がきた。その内容は自身の恋愛相談で……天使として恋する人を応援する少し不思議な青春物語。

難ありな相談者に向き合う恋の天使伊緒の奮闘を中心に、学生としての日常と青春もあって面白かったです！1巻は湊でしたが、2巻では三大美女御影冴華がメインですね。三大美女の中で人格者な言動から、一番人気が高く、しかし親しい友人は全くいない謎の少女。彼女からの相談の謎を考えてくのも面白かった。恋の相談に板挟みになりながら、どちらも否定せず助けたいと頑張る伊緒がカッコよかったです。あのわかりずらい救援信号にも気づいちゃうのが伊緒なんだよなぁ。自分のことは二の次なのも彼らしいですが、このままヒロインが増えてくとなかなかの地獄が待っていそうな気も……。終盤での真っすぐな言葉のぶつかり合いが印象的でした。そして抹茶おいしそう。

登場人物だと、やっぱり湊のお友達詩帆ちゃんが好き！そのコミュ力の強さが頼もしかったです。伊緒に気持ちの矢印が向いてない女の子の友達は貴重。

続きも楽しみです。

冴華のための天使活動が落ち着き、夏休みを迎えた伊緒たち。今回は天使の正体を伊緒だと疑っている後輩瀬名光莉からの恋愛相談、そして伊緒自身と周りの人たちの想いも描かれる3巻。

恋愛ミステリよりも、主人公自身と周りの人間関係がメインになってきた感じがしました。1巻・2巻と三大美女相談者が続いてきましたが、違います。これまでの相談と違うのは、光莉には確実に落としたい好きな相手がいること、以前の天使活動で伊緒と面識があったことかなと。これまで天使としてたくさんの相談にのってきた伊緒が、捨てられない過去と想いがあるからこそ、光莉からの質問に答えられなかったのはが印象的でしたね。そしてこの質問は相談の結末に繋がっていて、自分で前向きな答えを出した光莉の強さがすごく好きだと思いました。告白後の笑顔のイラストに胸を撃ち抜かれた……。あれ良すぎません？

そして伊緒の周り、特に湊と冴華の深まる想いですよ！！これが、もう、みんないい子だから全員幸せになってほしい！でも伊緒は一人しかいなくて辛い！ギスギスしないけど、読んでる方が勝手にダメージを受けるスタイル！私のHPがガリガリ削られました。

お泊り女子会はマジで可愛かったです、はい。永遠に女子会しててほしい、伊緒無しで女の子たちの仲良しで、もういいんじゃないかな(錯乱)個人的な好みですが、日浦ちゃんに関しては女の子たちと一緒にいる時の方が圧倒的に好きです。

でもやっぱり最後のあれ、湊の言葉を聞いちゃうと伊緒にとって救いの女神になるのは湊なんじゃないかと思っちゃいましたね。妹ちゃんとの交流もありましたし。

続きも読みたいです！