感想
誰もが生まれた時から祝福と呪いを持つ国で、【死に繋がる不幸を招く呪い】と【死ぬと時間が戻る祝福】を持つソーニャ。その能力によって何度も死んでは時を戻っていた彼女が、若き賢帝五十番目の妃になってしまう。一方若き皇帝エルクウェッドは、【他の能力に影響されずらい祝福】を持っていた。それゆえに、幼い時からソーニャの時戻りによって何度も同じ時間を繰り返され、そのたびにブチギレていた彼がようやく諸悪の根源に出会う。これはブチギレ皇帝と死ぬことが当たり前になっていた少女の長い長い1日のお話。
おもしれー女とおもしれー男の奇跡コラボだ!好き!
死を何度も繰り返した結果、死ぬことにためらいがなくなってしまった少女ソーニャ視点で始まるものの、このお話は皇帝エルクウェッド視点からが本番だなと思いました。ソーニャはまだ時戻りで死を回避するというやるべきことがあるし、時戻りの原因がわかってるからいいけれど、わからない人が何度も同じ時間を繰り返されたらしんどいよなぁ。
ブチギレ怒りパワー+元々の有能さのせいで誇張じゃなく【何でもできる皇帝】になってしまったエルクウェッド。彼の過去は涙なしでは語れない悲壮さと、とんでもない面白さがありました。本人は相当辛かったんだろうなと思うんだけど、それよりもシュールコメディの面白さが勝ってしまう(笑)エルクウェッドの有能さに、若干引いてるソーニャの語りも面白かったです。カッコいいこと言ってるはずなのに、頭に鷲が乗ってたりで台無しなんよなぁ。
宰相の能力エピソードや、絶体絶命ピンチを根性で生き抜く皇帝とアフロボンバーなど差し込まれるコメディが楽しすぎました。コメディを対価に恋愛要素は少なめだったので、シリーズ化してコメディしつつラブも増していってほしいなぁ。